『桐島、部活やめるってよ』

ようやく『桐島、部活やめるってよ』観ることができました~♪
あっ…もちろん、、DVDですけれどね
 
朝井リョウさんの原作が注目されていたのもわかっていたんですけれど
(第22回小説すばる新人賞受賞作品)
「高校生の話なんだよねぇ…。」
なんてたかをくくって、、劇場へは足を運びませんでした。
 
そして、今年の1月、、、朝井リョウさんが『何者』で第148回直木賞を受賞。
とても読みたかったが…未読本が積みあがっている中…
新しい本へのチャレンジはできませんでした。
 
そうこうしていると
日本の映画賞を総なめ状態で受賞し
極めつけは第36回日本アカデミー賞(3月)では最優秀作品賞を含む
3部門(最優秀監督賞・最優秀編集賞)で最優秀を受賞し、
話題賞の作品賞と優秀脚本賞も受賞して、、
橋本愛さんと東出昌大さんが新人賞を受賞した。
 
4月に『何者』と『桐島、部活やめるってよ』(文庫)も一緒に注文
わたしが他の本をカタツムリのような速度で読んでいる中
娘が読み終わり…
現在…『桐島、部活やめるってよ』は娘の友達の間を回されているらしい
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そうしているうちに、、ようやく『桐島、部活やめるってよ』の「貸出中」じゃなくなった!!
で…原作未読のまま映画(DVD)観賞へ
 
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<解説>
早稲田大学在学中に小説家デビューし、第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の吉田大八監督が映画化した青春群像劇。田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない、最下層に位置する存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に徐々に歪みが広がりはじめ、それまで存在していた校内のヒエラルキーが崩壊していく。主人公・前田役に神木隆之介が扮するほか、前田があこがれるバトミントン部のカスミを「告白」の橋本愛、前田同様に目立たない存在の吹奏楽部員・亜矢を大後寿々花が演じる。第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀編集賞の3部門を受賞した。
 
<あらすじ>
いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。桐島の恋人でさえ彼と連絡が取れないまま、桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろんありとあらゆる生徒に波紋が広がっていく。人間関係が静かに変化し徐々に緊張感が高まっていく中、桐島とは一番遠い存在だった映画部の前田(神木隆之介)が動き出す……。
 
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この映画は…わかる人にはわかる(爆)
もろ手を挙げて「面白い」という映画ではないし
「よくわかんない」という人も多い映画だと思う。
 
原作の意とするところを(っていっても原作読んでないけれどね:笑)
とても忠実に描いているのではないかと思います。(っても原作読んでないけれどね:しつこい)
 
朝井リョウさんの『何者』を読んでいて、、
あ~この人、、ただものじゃないわと。←当たりまえです。直木賞受賞者です。
 
そんな彼の『桐島、部活やめるってよ』が
ただの高校生の青春物語のはずがないわなぁ…っていう感じです。
 
どうなんだろなぁ。
『何者』を就活している人が、あまりにもリアルすぎて読めないように…。
高校生ド真ん中の方々は…この映画を観てどう思うのか?
いや。渦中の高校生は理解できないのかも…。
いや。わかりたくない!理解したくないと…わざとするのかも…。
高校時代というのは、キラキラしているところと
面倒くさいところと
イタイところがごちゃまぜになっている感じ。
1年半前まで高校生をしていた子供を持つわたしは
どうしても母親目線ですが、、あるでしょ…ありますね…そうですね…。
そんな気持ちで観ておりました。
 
そして、、この映画の成功は
神木隆之介くんの力!と普通の高校生をリアルに演じられたキャストの力!
神木くんを地味で目立たない映画部員にしたところが実にいいと思いました。
 
<キャスト>
神木隆之介(前田涼也:映画部)・橋本愛(東原かすみ:バトミントン部)・東出昌大(菊池宏樹:ユウレイ野球部)
大後寿々花(沢島亜矢:吹奏楽)・清水くるみ(宮部実果:バトミントン部)・山本美月(飯田梨紗:桐島の彼女)
松岡茉優(野崎沙奈:宏樹の彼女)・落合モトキ(寺島竜汰:帰宅部)・浅香航大(友弘:帰宅部のバスケ好き)
・前野智哉(武文:映画部・前田の親友)・高橋周平(野球部のキャプテン)・鈴木伸之(久保孝介:バレー部)
・大賀(小泉風助:バレー部)・藤井武美(詩織:吹奏楽
 
題名にも出てくる桐島くんは…どこにも出てきません。
ところどころで、、(たとえば屋上にいる男子)
それっぽい男子がみえ隠れするんだけれど…不明。
出てくることのない桐島くんに振り回される同級生・友人・彼女・部活仲間…。
桐島という存在があって成り立っていた「自分」
「自分」であって「自分」でない…。
 
その象徴は~桐島の彼女の飯田梨紗。
彼女は学校一人気者の女子。
後輩からも憧れの美貌の持ち主で、スーパースター桐島の彼女。
でも、、それだけの存在。彼女の名前は「桐島の彼女」じゃないはず。
あげく…彼女であるはずの「自分」も桐島とは連絡がとれない。
もっとイタイのは…桐島の親友であり、学校でも一目おかれている宏樹の彼女の野崎沙奈。
もちろん桐島の彼女と同じグループ。
梨紗ほどは目立たなくても。。そこそこ可愛くしているし、情報通。
彼女はイタイが…実際にいるよねぇ。。彼女のような人間。
それは高校生に限ったことじゃくて…
大人の社会でも充分にあり得る。
「自分」じゃなくて「彼氏」「旦那」が、、、自分にとっての位置づけ。
そのうち…これが「子ども」とか移行していくのかも…。
そして、、ずっと…そうして生きていくんだろうなぁ。
 
桐島という存在に全くふりまわされてないのが
映画部一行さまと吹奏楽部の沢島と野球部のキャプテン。
(実際にはもっといるんだろうけれど…登場人物の中でね…)
ぶれない強さっていうのかなぁ。
「ぶれない自分」って強いよね。

高2という子供でもないけれど将来も見えない。
でも…うすうす自分の力や立ち位置にもわかってきた。
宏樹が桐島を称して「なんでもできちゃう…桐島みたいなのがいるんだよね」
みたいなセリフを言うんだけれど
高校生ぐらいになると…「自分の力量」が見えてくるんだよね。
でも…将来は見えない…。ジレンマの塊でもある。
自分の事を考え、、友達の事も考え、、、
でも~その結果で、知らず知らずに人を傷つけたりしてしまったり。
 
でも、、そんな「自分の力量」とか考えずに
とりあえず自分の好きな事や信じている事を続けていくのって
カッコいいんじゃないのかなぁ。
宏樹が前田に撮られながら「やっぱりカッコいいよね」って言われて
泣きそうになりながら、、宏樹は「そんな事ないよ。俺はダメだ…」みたいなことを言うんだけれど
そんな宏樹に「大丈夫?」と聞く前田の方が
宏樹からしたらカッコいいんだろうなぁ。
 
前田が製作している映画の中のセリフを言うんだよね
「闘おう。ここが俺たちの世界なんだ。俺たちはここで生きていかなければならないのだから。」
↑みたいな(笑)
ぶれないで自分の好きな事や信じている事を続けていく…。
そんなカッコいい大人になりたいものである。
って~~年齢的には十分大人すぎる大人ですけれどね