特発性間質性肺炎

11月29日…大好きだった父が、この病でこの世を去りました。
 
11月に入院した時に、「覚悟をしておいてください。」と言われておりましたが
その時がこんなにも早く、突然に来るとは思っていなかったので
どう気持ちを整理していいものか…
 
12月2日に告別式をしました。
「お葬式」の仕組みとは…うまくできているものです。
残された家族に哀しみに暮れている時を与えないようになっているのですね。
 
今はただただ…愛情を持って育ててくれた父に感謝するのみです。
 
 
☆「間質性肺炎」とは…

「呼吸」は「肺」を使った生きていくために欠かせない作業。「間質性肺炎」は、さまざまな原因から肺胞壁に炎症をおこし、壁が厚く硬くなり(線維化)、呼吸をしてもガス交換ができにくくなる病気です。また、肺胞壁は保たれていても、肺の最小単位である小葉を囲んでいる小葉間隔壁や肺を包む胸膜が厚く線維化して肺が膨らむことができなくなる病態も知られるようになりました。線維化が進んで肺が硬く縮むと蜂巣病変といわれるような穴(嚢胞)ができて胸部CTで確認されます。
 
父の場合も、すでに2009年4月のレントゲンでその線維が見え、今年の11月に入ってから撮ったレントゲンでは蜂巣と呼ばれる穴も大きくいくつもわかるくらいでしたし、胸部CTでも確認できました。
 

間質性肺炎の原因には、関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)、職業上や生活上での粉塵(ほこり)やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入、病院で処方される薬剤、漢方薬サプリメントなどの健康食品、特殊な感染症など様々あることが知られていますが、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」といいます。
 
☆「特発性間質性肺炎」とは…
 
難病である「間質性肺炎」のうち、「特発性間質性肺炎」は日本の特定疾患になっています。
あの美空ひばりさんはこの病気で52歳の若さで亡くなっています。
特発性間質性肺炎は病態の異なる7つの疾患からなりますが、頻度からすると「特発性肺線維症」、「器質化肺炎」、「非特異性間質性肺炎」の3つの疾患のいずれかに含まれることがほとんどです。
7つの疾患のうちもっとも治療が難しい「特発性肺線維症」は、50才以上で労作時呼吸困難などの自覚症状を認めることが多く、男性は女性よりやや多いようです。間質性肺炎は一般に喫煙が関与している可能性を指摘されていますが、「特発性肺線維症」の患者さんのほとんどが喫煙者です。喫煙が必ずしも肺線維症だけを来たすわけではないことから、喫煙は特発性肺線維症の「危険因子」であると考えられています。特発性肺線維症の「危険因子」として他には、ウイルスなどの感染や逆流性食道炎なども挙げられています。明確な粉じん暴露による間質性肺炎は特発性間質性肺炎から除外されますが、原因として明らかではない場合には「危険因子」ととらえられます。
 
父の場合はこの「特発性肺繊維症」にあたります。そして、長年の喫煙者であり、素人の健康オタクでサプリメントも多種に服用しておりました。その他にも多趣味で、自分で銅版を加工し家紋を作ってみたりとか…考えたら「危険因子」はあとからあとから浮かんできます。
 
この病気の遺伝性ですが…
主治医の先生の話によりますと、まだ確定的なものはないそうです。

複数の原因遺伝子群と環境因子が影響している慢性炎症の病態機序が関与している可能性が考えられています。つまり、生活環境における「危険因子」に反応し、さらにその炎症を慢性化しやすい体質の原因となるような特徴的な遺伝子配列があると考えられています。実際にそのような遺伝子配列はいくつか報告されておりますが、かならずしもそれらで全て間質性肺炎の原因を説明しきれないそうです。

環境因子に反応しやすい体質は遺伝する可能性もあるので、ご家族に患者さんがいらっしゃったら、喫煙を含めた危険因子は可能な限り避けることが薦められます。
私も昨年「逆流性食道炎」をやっているので、気をつけないといけないと思ってます。
 
今の望みは…
この難病の治療法が確立してほしいことです。
父は、意識も鮮明にあり、あるがゆえに
自分の身体が侵されていくのがわかっていたのです。
相当、苦しくつらかったと思います。
そんな苦しみから一人でも救われるように…願っています。