『おにいちゃんのハナビ』

昨年の9月に公開の映画ですが、わが街では公開していたのかなぁ?
高良さん出てますが…見逃しておりました。
というか…このタイプの映画は苦手なので
あえて観なかったというのが正解です。
予告観ただけでわかる感じじゃないですか…。
作り手の泣かせよう魂胆みたいなの。
+号泣にとどまらず、嗚咽を映画館であげるのもなんなんで…。
 
DVD鑑賞となったのですが…
映画館で観なくて正解!+正直後悔もしました。
ベタに作ってある素直な作品で、悔しいくらいに嗚咽・号泣でした。
作り手の泣かせよう魂胆はまったくというくらいに感じられなかったし、
単なる難病でなくなる少女へのお涙ちょうだい作戦ではなかった。
ものすごく丁寧にとてもしっかりと作られていて
『ボックス!』で共演した高良さんと谷村さん。
二人のやりとりを丹念に積み重ねて、本当の兄妹かと思うくらいでした♪
妹の華が亡くなってしまうこと(場面)よりも
はやり…ハナビのシーンで号泣でしたね。
このハナビのシーンは映画館の大きなスクリーンで観た方が絶対いいと思います。
 
新潟県の片貝を舞台にした実話の映画だそうです。
わが県でも花火大会は何度かありますが
この片貝の花火大会はちと違うみたいです。
片貝の花火は、企業がスポンサーになってあげるわけでも
来年度の花火の発表会でもなく
町民が子どもの誕生や成人、還暦などを祝して神社に奉納する形で打ち上げる花火。
だから一発一発に住民の思いが詰まっていて、それぞれにドラマがある花火。
映画のなかでも誕生・新築・長寿のお祝い・そして追悼の花火が上がります。
町の人たちのそれぞれの人生や想いもしっかりと描かれていて…
生きていると色んな出来事がありますが、
節目節目の喜怒哀楽を花火で表現し、気持ちの区切りをつける片貝の花火。
とても羨ましくも思いました。
生きている間に、片貝の花火~絶対観に行くぞ~!
 
高良さんは、自分もひきこもっていた時期があったとカミングアウトしておりましたが
その経験がいきているのか…
ひきこもりの部分はとても自然。
おどおどした感じもボソボソのしゃべり方も背中のまがり具合も…
本当にいそうだ~っ!
谷村さん演じる華は、自分のせいでお兄ちゃんがひきこもってしまったのかも…
って感じているからこそ、昔の明るいお兄ちゃんをとりもどしてもらいたくて
とても一生懸命で、お兄ちゃんが本当に好きなんだなぁ。と感じとれた。
もともとの太郎は、華が感じているように優しくて頼りになるお兄ちゃんだったんだろうね。
そして、彼自身も「変わりたい」って思っていたんだろうなぁ。
 
 
<あらすじ>
白血病を患った華(谷村美月)の療養のため、5年前、須藤一家は東京から新潟県小千谷市片貝町に引っ越してきた。9月9日。毎年、世界一の花火が打ち上げられる“片貝まつり”の日、半年間の入院生活を終えた高校生の華は、19歳の兄・太郎(高良健吾)が自室に引きこもっていることを知る。その夜、来年の自分たちの花火を盛り上げようと気勢をあげる成人会に遭遇した華は、太郎を成人会に参加させようと決意する。乱暴なまでの勢いで家から連れ出した太郎を成人会の集会所に連れていく華だったが、地元育ちでない太郎は入会を断られてしまう。しかし、妹の健気な後押しに勇気付けられた太郎は、新聞配達のアルバイトを始め、新しい生活をスタートさせるのだった。冬も近づいたある日、華の白血病が再発、再び入院生活が始まるが、容態は前回よりも確実に悪化していた。華は、片貝に引っ越してきた5年前、家族4人で見た花火への思いを太郎に告げる。太郎はそんな華の思いを知り、苦労しながらもなんとか成人会への参加を認めてもらう。だが、華の容態はさらに悪化、太郎と母・登茂子(宮崎美子)、父・那昌(大杉漣)は病院に駆けつけるが、家族の思いは届かず、華は帰らぬ人となってしまう……。華の死後、太郎は成人会を辞め、華のために一人で花火をあげるべくアルバイトを増やし、煙火工場の工場長に頼み込んで花火作りを始める。そして9月9日。様々な思いの込められた花火がメッセージの読み上げと共に打ち上がり、メインイベントである成人会の花火で祭りは最高潮に達する。太郎の花火が打ち上がり、赤一色に空が染まった。ひとつふたつと散り逝く花火。最後の火の粉が消えるまで、両親と寄り添いながら太郎はただただ空を見上げているのだった
 
監督:国本雅広
脚本:西田征史
出演:高良健吾谷村美月宮崎美子大杉漣、早織、尾上寛之、岡本玲佐藤隆太佐々木蔵之介塩見三省
公式HP:http://hanabi-ani.jp/