『東南角部屋二階の女』

2008年公開のこの『東南角部屋二階の女』は
わたしの師匠からのいただきもの
大好きな西島秀俊さんと加瀬亮さんのタッグ!!good
大喜びしたのを覚えております♪
 
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先日、、この『東南角部屋二階の女』を再見いたしました。
ある記事を目にしたから…
この映画ではじめてお目にかかった…と思っていた(『ゆれる』にも出ておりました)
「竹花梓さん」が36歳の若さで昨年の12月にお亡くなりになっていたのです。
 
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モデル出身の(『ゆれる』の中でもオダギリジョー演じるカメラマンの被写体でした)
ばつぐんのスタイルの方でした。
可愛い!って感じの方ではなかったけれど…とても雰囲気のある方で
その可愛い声とともに、、いい感じの女優さん♪と思っていたのですが…。
病気療養中だったとか…合掌。
 
<あらすじ>
父親が亡くなり、莫大な借金を背負うことになった会社員の野上(西島秀俊)。
彼が返済手段として思いついたのは祖父・友次郎(高橋昌也)が所有する土地の売却だった。
古アパートが建つその土地を手放すよう説得する野上だったが、友次郎は首を縦に振らない。
先輩の野上が会社を辞めるという噂を耳にした三崎(加瀬亮)。毎日クレーム対応に追われ、目標を失っていた彼は突発的に辞職。恋人のアヤ(大谷英子)はそんな三崎の元を去っていく。
低賃金で重労働の日々を送るフリーのフードコーディネーター涼子(竹花梓)。30歳間近にもかかわらず、愛もお金もない生活を送っていた。アパートの更新料すら払う目処が立たず、逃げ道として結婚にすがろうと相談所に駆け込むのだが、見合いに現れたのは、借金を抱えて失業寸前の野上。
それぞれに事情を抱えた3人が古アパートに住み始める。
友次郎の土地に立つそのアパートの所有者は、近くで居酒屋を営む藤子(香川京子)。彼女は友次郎の弟の許嫁だった。戦争で弟が亡くなったあと、結婚もせず友次郎夫婦とは家族のように付き合ってきた。
野上の借金話を耳にした彼女は、覚悟を決めたかのようにアパートの権利書を野上に手渡す。数日後、藤子は3人に留守を任せて友次郎と旅に出てしまう。
3人が不器用にきりもりする店を訪れたのは常連のロク(塩見三省)。気持ちよく酔っ払って、失った夢やそこから得たものについて慈しむように語るロクに、3人は惹かれてゆく。
深夜。台風がアパートを襲い、強風に煽られたあかずの間の201号室の窓が外れてしまう。様子を見に忍び込んだ3人は、水浸しになったその部屋で意外なものを見つける……。
 
<感想>
西島さんと加瀬さんと竹花さんの三角関係のお話?と思いきや…
(パッケージは、、いかにも?ちょっとほのぼのしているけれど)
この映画のメインは…高橋昌也さん演じる友次郎(長男だよなぁ。。。なぜ次郎??)さんと
友次郎さんの弟さんの許嫁だった藤子さんの…それはそれは素敵なお話。
 
いまや40代のモテ男の一人である西島さん…
西島さんは、、優柔不断で(笑)不器用で…自己主張が苦手な…こんな役がよくお似合い。
なんていったら、、カッコいい西島さんを求めてるファンに怒られちゃうかぁ(笑)
またまた、、そんな役がお似合い(爆)加瀬さんは、、
この映画の中では…やたらと「~っすよ~」を言ういまどき(?)の若者を演じてます。
ものごとを一方の方向からしか見れない。。。
自分の現実からは逃避している。。。
常に「別に…」といいながら。。。
自己主張は結構するし、、変に正義感強い…
あっ!歳とっていても…それはわたしも同じかぁ(笑)
竹花さんは…いい意味で自己主張しなくて
とてもやわらかな雰囲気と可愛らしい声で
好きなタイプだなぁ♪って…思っていたんだよね。
 
でも!!この映画の主役はね…。
一言もしゃべらない(セリフはたぶん「あぁ」って一言?)高橋昌也さんと
あまりにもそのたたずまいの美しい香川京子さん。
そして、、見事なパスを出して
三人の若者の成長をアシストした…畳屋の清六さん(塩見三省さん)
今では…琥珀磨きしているけれど(『あまちゃん』のゲンさん)
 
このロクさんの言葉の中で
「俺が大切にしているものと君が大切にしているものは違うんだよね。
みんな大切にしているものが違うから、もめたりすれ違ったりするんだよね。
でも、、違っても理解できなくても…
お互いわかりあおうとすることは大事だよね。」
(勝手に解釈…おおまかこんな感じのセリフだったかと…)
なんか~真髄をつかれたぁ!!ズバゴーン!!だった。
 
友次郎さんも藤子さんも多くは語りません。
っかぁ…全く語りませんが…
高橋さんの目とか表情とか動きとか~なんか凄いの。
伝わってくるの。
香川さんにいたっては…横顔で、微笑で想いが伝わってくるの。
 
「開かずの間」の201号室は、、藤子さんが住んでいた部屋。
嫁入り箪笥や着物が大切に保管されていた。
もう…ダメね…涙腺壊れました…
嫁入り箪笥には戦死された友次郎さんの弟さんの名前が記されていたんだけれど
大切に保管された着物の保護紙をほどいていくと…
出されることのなかった、、読まれることのなかった、、
「友次郎様へ」の封書が…。
藤子さんの本心?恋心も「開かずの間」に閉じ込めていたんだよね…うっうっ
 
台風が去り、温泉から帰ってきた藤子さんが201号室の部屋の鍵を開けると…
そこには、、三人が保管されていた…あの封書の入っていた着物を干してあった。
藤子さんがはじめて、、想いのたけを言葉にした…
「これね、、友さんに買ってもらった着物なの…」
 
大切な大切な想いを心の片隅に愛おしく置き生きてきた人生の先輩。
わたしの涙腺は決壊
 
東南角部屋二階の女」は藤子さんだったのよ。
そこから藤子さんは、愛おしい人をずっとずっと見つめていたのよ。
 
東南角部屋の二階から
その着物を羽織り、庭にいる友次郎さんに微笑む藤子さん。
見上げる友次郎さん。
言葉がなくても…伝わる想い。。。
決壊…全壊。
ものすごく心地いい決壊。
 

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そして…竹花梓さんに合掌