水戸芸術館の新館長は…

水戸市制100周年(平成元年4月1日)を記念し開館した文化施設です。
音楽、演劇、美術の分野で新しい芸術文化を創造する一方、
地域文化はもとより、国際的な視野にたって、
芸術文化の交流を行い、市民の文化意識の向上と
日本の芸術文化の振興に寄与している施設です。(ホームページより)
その運営には、館長の吉田秀和氏(故人)をはじめ日本を代表する芸術家が参画し、
各分野の専用空間を活用した自主企画による事業を行うほか
専属の「水戸室内管弦楽団」「水戸カルテット」「ATMアンサンブル」と
専属劇団「Acting Company MITO」を編成。
また、市が運営のための財団法人を設立し、その活動を保障していることなども
運営の大きな特徴になっています。
幼児から高齢者までそれぞれが楽しみながら芸術文化に親しみ、その意味をかんがえられるような教育の場、
また、市民文化活動の拠点としての総合文化施設です。(ホームページより抜粋)
 
イメージ 1イメージ 2
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
           
 
 
 
 
初代館長の吉田秀和氏が昨年の5月に逝去して以来
不在となっていた芸術館の新館長に就任したのは…
「世界のオザワ」こと世界的指揮者の小澤征爾氏です。
(4月1日付け)
 
-小澤さんの新館長就任の挨拶です-

http://arttowermito.or.jp/dir_download/___________________________.jpg
          撮影:大窪道治
 このたび、水戸芸術館の館長に就任いたしました小澤征爾です。
 今から約20 年前、吉田秀和先生が佐川元市長から運営を任されてこの芸術館を創る時に、
吉田先生が私を鎌倉のご自宅に呼んで、室内管弦楽団を組織したいとおっしゃり、つくり上げたのが
水戸室内管弦楽団です。それ以来ずっと、ここのコンサートホールで仲間たちと演奏を続けてきました。
 まず、水戸芸術館の開館と同時に、水戸室内管弦楽団ができあがった、そのことが素晴らしいこと
だと思いました。ここが開館した1990 年頃、全国各地にホールができましたが、ほとんどが貸し
ホールみたいなものになっているという状況の中で、建築家の磯崎新さんや照明家の吉井澄雄さんが
いて、美術も演劇もやるということで、非常にユニークなことを水戸はやっているという印象を
持っていました。
 今回お引き受けした理由は、定期演奏会の度に水戸を訪れる中で、水戸室内管弦楽団が市民の
皆さんに支持されて、愛されているということが分かり始めたためです。私は、音楽は人が生きる
上で絶対に必要なものだとは思いませんが、何らかの力を持っていると思いますので、市の皆さんと
協力して、音楽をより身近に感じていただけるようなことが出来れば嬉しいです。
 初めてこのお話をお聞きした時に、指揮者が館長をできるかということと、それから健康の問題が
ありました。病気はいつ再発するか分からないと言われていたので、その検査をずっとして、つい
最近に無事卒業という結果が出たので、こうしてお引き受けすることになりました。
 もちろん私は指揮者ですから館長という職を務めたことがありませんので、自信があるかと言われ
るとそれほどありません。ただ、私の音楽家としての経験から言えば、音楽の場合は市民の方にその
活動が受け入れられるということが一番大事なことだと思います。例えばここのホールは約700 席
しかありませんから、直にホールの中に来て下さる方は限られています。ですので、小学生や中学生
に対して、水戸芸術館から出向いて、学校のホールや他の大きな施設などで演奏を聴いてもらい、
あるいは水戸の学校はブラスバンドが優秀ということで、そうした学生とのつながりができると、その
ご家族は、子供たちのことを見ていて、必ず興味を示してくれるだろうと思います。ぜひそうした
活動を水戸でもさせて頂きたいと思っています。
 今後は、これまで吉田先生が水戸芸術館で実践されてきたことを引き継いで、音楽・演劇・美術の
3 つが効率よく機能して、ますます発展するように関係者一同力を合わせて努めていきたいと思います。
 ここの芸術館には高いタワーがあってみんなのシンボルになっていますが、館の活動についても街の
人たちにもしみわたるようになり、身近に親しんで頂ければ、演奏家の私としてはまったく嬉しいし、
本望であります。

                            これは、2013 年4 月4 日に水戸芸術館会議場で行われた
                            就任記者会見におけるあいさつをまとめたものです。
 
そんな小澤さんが(知り合いのおっちゃん的な呼びかけ方ですが…)
開校したスイス国際音楽アカデミーは、
22日からはじまる今年のレッスンに小澤さんが参加しないことを決めたと明らかにした。
インフルエンザにかかったためという。
 
父と同じ年の小澤さん
どうか…お体を大切になさって、、これからも活躍してほしいものです。