『ふがいない僕は空を見る』

夏休みは…子供が夏休みで(?)
部活で毎日ように学校へ行ってくれるけれど…
母は夏休みなわけじゃなくて…ゆっくり観ている時間もとれない。
夏休みの映画館は…人が多くて…ちょいっと苦手。
と…このような理由で、映画館から自然と足が遠のいてしまいます。
 
まぁ~そんな時は、家でホームシアター
なんて立派なものがあるはずなので…ホームDVD
 
主に見逃してしまった作品を観させていただきました。
あっ!これ観たかったんだよね~。なんて選んでいたら…
邦画がほとんどになっちゃって
 
ガンガン観たんだけれど…
ブログまでたどりつかず、、facebookにタイトルのみを記憶させているにとどまっている感じ。
それも、、まだ追いついてなくて…
本当にわたしの頭は『メメント』状態。⇒『メメント』観たくなんるぅ~~。
 
「ビバ!邦画」と称してたくさん観たDVDの中で
もの凄く記憶に残っているっていうか
期待しないで観たら…めっちゃいいんじゃん!だったのが
この『ふがいない僕は空を見る』でした。
これ~R-18がついちゃっているんだけれど…
「性」と「生」をとりあげている…実にいい作品だと思いました。
 
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2012/日本 上映時間142分
監督:タナダユキ
プロデューサー:佐藤現、木村俊樹
原作:窪美澄
脚本:向井康介
撮影:大塚亮
美術:松塚隆史
録音:土屋和之
音楽:かみむら周平

(あらすじ)
助産院を営む母に女手ひとつで育てられた高校生の卓巳(永山絢斗)は、友人に連れられて行ったイベントで、アニメ好きの主婦・里美(田畑智子)と出会う。それ以来、卓巳と里美はアニメのコスプレをして情事を重ねるように。そんなある日、同級生の七菜(田中美晴)から告白された卓巳は、里美と別れることを決心するが……。(以上、映画.comより)
<感想>
まず…なんで、この作品を手にしたかというと…
永山絢斗さんでしょうかね(爆)
藁の楯』の彼が本当によくて、、
今までは瑛太の弟なんてくくりで観ていたのが失礼だったわねと…。
そんな彼が、、えっ?R-18に出ちゃたの?
怖いモノみたさっていうのですかね…。
ただの恋愛ものかと思いきや…
容赦ない「性」と「生」の話が繰り広げられます。
誰が主役なのかわからなくなるんだよね。
卓巳(永山絢斗)のようでもあり里美(田畑智子)のようでもあり
良太(窪田正孝)のようでもあり。
実は卓巳のお母さん(原田美枝子)がひっぱっているのかも…。
 
執拗な旦那と姑に浮気がバレれていた
コスプレのH動画を学校名・氏名付きでネットで流される
ネグレクト状態の母親が通帳持ち出してしまう
ボケたお婆ちゃんが近所に迷惑をかける
勉強を教えてくれたりしたバイト先の先輩が変態で逮捕された
妊婦が望むようにしたのに責任は産院にもたされる
とかとか…
彼らが生きる世界はとても困難で、全然優しくなくて…。
 
それでも…「それでも生きなくちゃ」という強いメッセージを感じちゃったんですよね。
 
自分の置かれている日常が嫌で、
ここから何とか脱け出したいと…もがき苦しみ
あれこれやってはみるけれど、どれも全然うまくいかない…。
もうこれ以上頑張れない…もう死んでしまいたいと思うけれど
死ぬ勇気もない。
みんな心を折られ、傷つきながらも生きていく。
ってか…生まれてきたら、生きなくちゃいけないのさ。
それでも生きなきゃ!
 
卓巳のお母さん(原田さん)の助手の方が
「恥ずかしくない恋愛なんてないんだよ」みたいなことをいうんだけれど
生きていれば、、恥ずかしいことの一つや二つや三つや…
たくさんあるよ!…それがどうした!!
そんなの何でもないよ~!!と思えちゃうんだよね。
 
良太は学歴という生きていく武器を手に入れるために勉強するようになる。
里美は妊娠を強要する姑と里美に固執する夫と別れ、旅立つ覚悟を決める。
引きこもっていた卓巳だけれど…「母性」によってふたたび息を吹き返す。
↑あくまでもわたしの感想。
 
卓巳のお母さんは、ある夜、神社にお祈りをしにくる。
そして、卓巳に向かって…
「生きててね。生きて、ずっとそこにいてね。」と言う。
そして、「神様、どうかこの子をお守りください」と祈る。
このシーンには泣かされました。
いや~原田さんの美しい事ったら。
 
母は大変な想いをして子を産む。
いつでもどんな時でもその子を想い「生きていてほしい」と願う。
 
老若男女
この「母性」と関わりのない人はいないはず。
「母性」によって生かされているのです。
 
なので…この映画は、母「性」と「生」の映画なのです。
 
田畑さんもよかった。永山さんもよかった。もちろん~原田さんもよかった。
でも、、一番よかったのは窪田さんかな。
あまりにも自然で、、
思わず…頑張れ~!!と応援したくなってしまう。
 
そして、、最後に
助産院を手伝っていた卓巳が、、生まれたばかりの男の赤ちゃんに向かって
「お前、厄介なものをくっつけてきたね」と
穏やかで優しく言うんだけれど…
そのラストシーンもよかった♪