今年も宝島社の企業広告はズーンときました( ´ ▽ ` )ノ

今月の5日(火)の新聞の見開き2ページ。
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宝島社の企業広告。
水の中に微笑みながら、横たわる樹木希林さん。
それだけでもインパクト 大なのに…
傍らには「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という 
インパクト増大の強烈なメッセージ付きΣ( ̄。 ̄ノ)ノ


「死ぬときぐらいすきにさせてよ」
人は必ず死ぬというのに。
長生きを叶える技術ばかりが進化して
なんとまぁ死ににくい時代になったことでしょう。
死を疎むことなく、死を焦ることもなく。
ひとつひとつの欲を手放して、
身じまいをしていきたいと思うのです。
人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。
それが、私の最後の欲なのです。


この広告のモチーフになっていると思われるのが
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シェイクスピアの四大悲劇《ハムレット》の一場面。
ハムレットが、父を毒殺して母と結婚した叔父に復讐を誓うものの、
その思索的な性格のためになかなか決行できず、
その間に恋人オフィーリアを狂死(小川で溺死)に追いやってしまうというもの。
この絵画に描かれているオフィーリアの姿は、
生と死の狭間にあってなお神々しいまでの美しさに満ちているとされております。
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小川の水面に揺らめく花々。ヤナギは見捨てられた愛。イラクサは苦悩。
ヒナギクは無垢。パンジーは愛の虚しさ。首飾りのスミレは誠実・純潔・夭折。
そして、ケシの花は死。を意味しているそうですよ。
オフィーリアの表情は 現実(死)に対して どう感じていたのかは?ですが


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樹木希林さんは…微笑んでます。
全てを受け入れている微笑み。


この企業広告を出した宝島社さんは
「 “死” について考えることで、どう生きるかを考えるきっかけになれば」
こちらの発想から今回の広告が誕生するに至ったそうなのですが、
そこに樹木希林さんをオフィーリアにしちゃうあたりが 凄すぎます(((o(*゚▽゚*)o)))
対して、樹木希林さんは
「『生きるのも日常、死んでいくのも日常』死は特別なものとして捉えられているが、死というのは悪いことではない。そういったことを伝えていくのもひとつの役目なのかなと思いました」
とのコメントを出されております。
樹木希林さん…
実にカッコいいわぁ……。
もう、震えるほどにかっこいいわ……。
また、樹木希林さんは
「一般の世の中の人は、死というものを特別なものとして、そういうものを見ないように避けて通るんだなぁと思います。親しい人の死が身近に見られない今の世の中は、ちょっと不幸な時代になったのかなと。損しているなと思いますね」
ともおっしゃっていたそうで、
その点でも大きく納得。
父を亡くしてから 死 に対する 考え方が 大きく変わりました。
死というモノを 負、マイナスのイメージで捉えていたのですが
生と死。始まりがあるから終わりがある。
終わりがあって始まるものもあるはずだ!と思える様になりました。


これまでにも宝島社は、記憶に残るインパクトのある企業広告を制作して、
数多くの賞を受賞しております。
それにしても 今年の この広告は
ズーンと心に残りましたわ。