『ヴァイブレータ』

男の人の優しさを考えていたら
『軽蔑』の廣木隆一監督の『ヴァイブレータ』を思い出しました。
この作品の大森南朋さん演じるトラックの兄ちゃんは、この上なく優しい。
面倒な女がこの上なく優しい男に出会って
自分を再生できるって話。
この作品で、寺島しのぶさんは、数々の主演女優賞を受賞していると思います。
いうなれば!この映画で廣木組(高良さんがそう呼んでおりました)と大森南朋さんによって
歌舞伎役者と映画女優の娘であり、そこそこの舞台もこなす演技の上手な女優さんが
ひとかわもふたかわもむけて…日本を代表する映画女優としての確固たる地位を手にいれた!
寺島しのぶさんも再生しちゃった感じ?(失礼)
寺島しのぶさんって…綺麗な女優さんとは思わないんだけれど(これまた失礼)
とても魅力のなる女優さんだと思った。
そして、やっぱり上手!
コンビニではじまり、コンビニでおわる(?)のだけれど
寺島さん演じる早川玲の顔が明らかに変わっている。
そこを演じられてる寺島さんってすごっ。
R-18か15がついているし…題名も悪い?(笑)
女性の心理を巧く描いていて
男性よりも女性が共感できる映画だと思いました。
大森南朋さん演じた運ちゃんの優しさ…半端ない。
 
<あらすじ>
自分の頭の中に氾濫する声に悩まされ、不眠や過食、食べ吐きを繰り返すアルコール依存症の31歳のルポライター・早川玲(寺島しのぶ)。ある雪の夜、コンビニでひとりの若い男に目を留めた彼女は、「彼を食べたい」と言う直感に従い行きずりの関係を結ぶ。男は岡部希寿(大森南朋)と言うフリーの長距離トラック運転手。翌朝、そのまま岡部のトラックに揺られ次の仕事先である新潟へと同行した玲は、彼と言葉や肌を重ねながら徐々に心癒されていくのであった。気づくと、頭の中の声も聞こえなくなっていた。だが、旅は終わりに近づこうとしていた。翌日の夜、出会ったコンビニで岡部と別れた玲は、「彼を食べて、彼に食べられた。ただ、それだけのことだった」と思いながらも、自分が”いいもの“になった気がしていた。
2003年公開


同じ女であるがゆえに、主人公の早川玲の葛藤とかもわかるけれど、ものすごく面倒な女だということもわかる。
コンビニで出逢った行きずりの女…1度きりの交渉(セックス)で、「ハイ。サヨナラ。」
と後腐れが無く済ますのが、一般的な男性像なはず。
この面倒臭い存在のはずの<行きずりの女>早川玲を彼女が納得するまで面倒をみてあげる。
自分の感情をうまくコントロールできなくなり、
岡部をも拒絶しようとする玲を
暖かく包み込んであげる岡部。
 
今~CMで「いい人」やっている大森南朋さん。
この人の素顔は…どうなんだろう
役者バカという話を聞きましたが…
女性にはもてそうですが~来るものこばまず去るもの追わず。の印象があります。
共演する女優さんは、惚れてしまうだろうなぁ。